第2章 新生活
『そうと決まれば、、、とりあえず買い物にでも行きますかね。』
大きな物は事足りるのだが、やはり兄の服はキツそうだし、下着とかも必要だろう。
それと、食材もほとんどなかった。
ショッピングセンターならとりあえず一通り揃うな…
買う物を頭の中で思い描きながら、結構な荷物になりそうだと苦笑する。
車で行くことに決め、マルコさんに声をかけると困ったような顔をして言う。
「俺は金も持っていないんだが、、、」
『知ってますよ、別に気にしないで下さい。
それくらいは持ってるので。』
マルコさんを車の助手席に乗せて、シートベルトを締めるように言う。
「この箱はなんだよい。」
『これは車といって、人を運ぶ乗り物です。
…出発しますよ。』
そう言ってエンジンをかけると、マルコさんは面白いくらい肩を弾ませ、警戒していた。
『ふふ、大丈夫ですよ。
安全運転で行きますから。』
なるべく驚かせないようにゆっくりと進むと、マルコさんは興奮した様子で聞いてきた。
「っ!なんだよい!!
どうやって動いてるんだ!?」
『燃料を使って動いてるんです。
スピードがかなり出せるので移動手段としてはかなり便利なんですよ。』
それから自動車の動く仕組みを知っている限り詳しく説明すると、感心したように何度も頷いていた。
大通りに出るとさらに交通量が増え、マルコさんはあれはなんだ、これはなんだと沢山の特殊車両を指さして言う。
そのたびに説明していくが、マルコさんの質問はなかなか難しいことを聞かれる。
説明している側としてもとても説明のしがいがある。
あっという間にショッピングセンターにたどり着くと、マルコさんはその大きさと駐車場で綺麗に並んだ車を見て驚いていた。