第10章 限界
『むっくん…。』
「俺えりかちんと話せなくてすっごくつまんなかった。えりかちん…俺のこと、もう嫌いなの?」
『…そんな訳ないよ!嫌いになんてなってない。私もすごく寂しかったし、悲しかったよ…。私こそごめんね…」
「ほんとー?よかったぁ〜。じゃあ仲直りだね〜。」
むっくんの表情はいつもの優しい笑顔だった。
よかった…笑ってくれた。仲直りできたんだ…。
そう思うと涙が溢れてきた。
「え〜?えりかちんどうして泣いてるのー?どこか痛いのー?」
『違うのっ…むっくんと仲直りできて嬉しいんだよ…』
「あー嬉し泣きー?もー、かわい〜えりかちん。よしよーし、お菓子食べる〜?」
むっくんは子供をあやすみたいに私を抱きしめ、頭を撫でてくれた。