第10章 限界
えりかside一一
『……ん……。』
「えりかちん!」
目が覚めると目の前にむっくんがいた。
『え…むっくん…?』
「えりかちん倒れたんだよ。ちゃんと寝てないの?ご飯食べてる?」
…あぁ、倒れちゃったんだ、私。
確かにずっと頭痛くて気分悪かったんだよねー…。
上半身だけ体を起こす。あ、でもさっきよりは気分マシかも…。
「…ごめんね。」
『えっ…?』
「黒ちんにも…ちゃんと謝るから。だから口きかないなんて言わないでよー。」
むっくんは少し拗ねたような表情でそう言って私の袖をギュッと掴んだ。