第2章 本丸
食堂へ向かって廊下を進んでいくと
風上からいい匂いが漂ってきた
グゥ…
美味しそうな匂いに即反応する自分の体
やれやれとお腹を摩る
廊下の突き当たりを曲がると、視界の端に2つの人影が映る
「───兼さん!起きて!」
声がする方を見やると
前方には縁側で寝ている和泉守兼定、
それを起こそうと敢闘しているのは堀川国広───
堀川が割と強めに肩を揺すっているのに起きる気配がない
どんだけ爆睡してるんだ兼定…
「堀川ー!兼定、全然起きなさそうだね…。」
堀川も大変だなぁ…
放っておけずに声をかける
「主さん!昼ご飯の時間なのに兼さん、起きてくれなくて。」
堀川の可愛い顔が!!
しゅんと悲しそうな表情に!!
あああこれは兼定を絶対に起こさねば…
謎の使命感に後押しされ、兼定の傍にしゃがみ込むと耳打ちをする
「兼定〜。今すぐに起きないと、兼定のお昼ご飯、私が食べるかr…」
────バッ
(あ、起きた。)
「オレの飯…!!───ハッ!?」
勢い良く飛び起きた兼定、やっと起きたか
状況が読めていないのか兼定はハッとして周りを見渡している
この茶番を見て堀川、三日月、五虎退は楽しそうに笑っていた
「さて!兼定も起きたし、ご飯食べに行こー!」
まだキョロキョロしている兼定を待たずに、
審神者一行は今度こそ食堂へ向かう