第9章 雨のひと時
じりじりと詰め寄る2振に
私は咄嗟に声を掛ける
「堀川!清光!今度またそれぞれ時間作るから!そこでゆっくり話でもしよう!」
兼定に詰め寄っていた清光がパッと振り返る
「主、ほんと!?」
「約束、ですよ!」
続いて堀川も振り向いて、嬉しそうに微笑む
あぁまた私は軽率に約束をしてしまった…
が、刀剣達を労る為には時間を作ることも必要
これからはもっと積極的に対応していこうと心に思った
ふと堀川が時計に目を向けると、時刻は昼を過ぎている
「主さん、そろそろ執務に戻らないと昼ごはんに間に合わなくなりますよ!」
「あ、いけない…! …やります。」
気が進まないが、審神者としてやる事はやらねば…
思い足取りで執務机に向かう
主頑張って、頑張れよ、と清光と兼定はそれぞれ声を掛けて執務室を後にする
堀川は2人を見送ると、障子を閉めてこちらへ歩いてくる
「書類の提出、政府から催促されてもいけませんからね。早めに終わらせましょう!」
机に項垂れる私に、堀川がガッツポーズを作りながら声を掛けてくれる
やっぱり、堀川いい子か…
全く、自分の単純さには救われる
堀川によってやる気が湧いてきた私は、執務を終わらせるために己を奮い立たせ、筆を手に取った
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