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【刀剣乱舞】神の轍

第9章 雨のひと時





「お!皆揃ってるね。」


振り返ると、そこには清光が立っていた

稽古帰りなのか、首から手拭いを下げている


「加州さん!」


堀川は加州に事の経緯を話す

そんな2振を見ていると、その向こうで兼定に小さく手招きをされたため近付く


「兼定、どうしたの?」


「いやっ、さっきは助かった。その…今度、俺に時間をくれねぇか? なにか礼をさせて欲しい。」


いつもの自信溢れた堂々たる態度は何処へ行ったのやら
照れ臭そうに頭を搔いたり目線を逸らしたり、忙しない


「そんな、あれくらい気にしなくてもっ」


「主の手を煩わせちまったからな、これは俺がしたいんだ。だめか?」


少し気を落としたように兼定の声色が段々と小さくなる

私は本当に大した事はしていないけれど、
そんな風に言われると断れないなぁ…

ここはお言葉に甘えるか…と、私はコクンと頷くと兼定に向き直る


「分かった!今度楽しみにしてるね、兼定!」


私の言葉を聞いた兼定はみるみる表情を明るくする


「あぁ、了解だ。楽しみにしてなぁ!」


そんな私達の間に、ちょっと待ったと先程話し込んでた2振が割って入る


「兼さん、抜け駆けですか?」

「こっそり主とデートの約束しちゃって、ずるいでしょ!」


頬を膨らませる堀川と清光
怒っているのに可愛いかよ…
不謹慎にもそんな事が頭を過ぎる


「なっ、そんなんじゃねぇ!俺は主に礼をだな…!」


堀川と清光の勢いに押され気味な兼定
あたふたしながら言葉を重ねる





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