第6章 ようこそ
「主から俺の部屋に訪ねてきてくれて、今は二人きり。主を独り占め出来るチャンスなんて今しか無いよね。」
段々と声色を低くして囁かれると
身体中に響いて肩が小さく震える
「ちょっ、清光!」
「…何もしないから!今は少し、このままいさせて。」
そう言うと清光は私を抱きしめる腕に力を込める
それに応えて私も清光を抱きしめ返す
突然のことに心臓が煩く跳ねる
一瞬にして顔に熱が集まってくるのが分かる──
この恥ずかしい気持ちを逃したい
気持ちを紛らわそうと、ぎゅっと清光の服の裾を握った
「ん? 主、緊張してる?」
私の行動を察したのか
様子を伺うように顔を覗き込まれる
「やっ、見ないで…!」
今絶対顔が真っ赤だから
こんな姿恥ずかしすぎる
絶対見られたくない…
思わず顔を逸らす
「だーめ、見せて。」
抵抗虚しく、清光に顎を持ち上げられて
無理やり目を合わされる
「照れてる主、すっごく可愛い───」
もう 清光は私をからかってるのか…