第4章 初期刀
「…あの、さっき、薬研を顕現したのは私って聞いたけど、どういうことなの?まだ状況が掴めなくて、聞いておきたくて…!」
ああ、と短く返事をすると
薬研は再びその場に腰を下ろす
「俺が顕現された瞬間、大将は意識を失った。覚えが無いのも無理はない。恐らく、無意識下で霊力が伝わって、俺が顕現された…。顕現されて最初に見た光景が、俺が納められていた木筒を抱き締めるようにして横たわる大将だったからな。」
「無意識に…霊力が…。」
自分の両手を見つめる
私にそんな力が────
未だに信じ難いが
これは現実なんだと受け入れざるを得ない
「しかも大将、血塗れだったからな。あれには驚いた。」
ははっと思い出したように薬研は笑う
「そうだ!私、腕を怪我して…」
「ああ、あの後、俺が手当てをした。」
!!
この傷を、手当をしてくれたのは薬研だったんだ…!
私の中で辻褄が合った
思わず包帯の巻かれた腕を摩る