第4章 初期刀
「?? 主さま、薬研様を顕現したのは貴女ですよ。」
「え?」
何にもピンと来ていない私を見兼ねて
こんのすけは小さくため息をついて続ける
「もう一度言います。こちらにいらっしゃる薬研様を顕現したのは、心春様、貴女です。となると流れ的に、薬研様が初期刀となりますね。」
うん??
何度聞いたって、分からないものは分からないね?
私が霊力を持っていて
それを使って薬研を顕現したと?
いつ?どこで?
霊力を得た記憶なんて、一切ないのに…!
「待ってこんのすけ。私には霊力なんて無いし、顕現とか今初めて聞いたし。何かをした心当たりが無いんだけど…。」
「いいえ。心春様は政府より、審神者として選ばれたお方。霊力は備わっているはずです。今までお気付きになっていないだけで───」
このこんのすけには、分かります!
得意げにポンと胸を叩く
その時、こんのすけの首元に着いている鈴が揺れて音が鳴った
─────どこかで聞き覚えのある鈴の音…
けれどよく、思い出せない
「──ですから、主さまには、お持ちの霊力を使い刀剣達を顕現し、この本丸を拠点として、お仕事をしていただきます!」
「…あっ、はい!」
危ない
こんのすけの説明を聞き逃すところだった
我に返って返事をする