第4章 初期刀
「───あの時、俺が顕現されて良かった。」
薬研もこんのすけと同様に
包帯の巻かれた私の腕へ目を向ける
「顕現…?」
「顕現とは、審神者の霊力を刀剣に授けることにより、刀剣を刀身の姿から人間の姿へと変化させる事を指します。」
えー…そんなことできるの?
霊力…、恐るべし…!
「さっき薬研さん…、が顕現されて良かったって言ってたけど、それは…誰かが顕現したってこと?」
「薬研でいい。あんたは俺の大将だ、畏まる必要はない。」
うーん…
この少年(?)、どう接してよいものかと迷って
とりあえずさん付けで呼んでみたけど…
そう言うなら、お言葉に甘えよう、うん
「じゃ、じゃあ、薬研…!」
「ああ。それでいい。」
薬研のキリッとした表情が和らいだ
自分に向けられた端正なその顔に
不意に心臓が跳ねる