第4章 初期刀
「あーあ、短い人生でした。やり残したことが沢山あるけど」
とにかくお父さんお母さん今までありがとう!!
最後にお礼が言えなくて残念だけど、娘は幸せでした…!!
心の中で感謝を叫びながらうんうんと唸っていると
傍の襖が開いた
「おいおい大将、勝手に死なないでくれ。」
声のする方に顔を向ける
「え?」
───誰?
見た目は子供…いや、少年?青年?
身長は私と同じくらいか
白衣着てるし眼鏡かけてるし
声は低くて落ち着いていて
…え? 短パン…? 生足…?
情報量が多いな…
顔がいいという事は動き出したばかりの脳でも理解出来た
声の主は私の元まで来ると
薬包紙と湯呑を乗せたお盆を傍に置いた
「まだ、名乗っていなかったな。」
そう言うと私に向き直って、コホンと咳払いをする
「俺は薬研藤四郎。短刀だ。これから大将のところで世話になる事になった。よろしく頼む。」
「あっ、私は心春と言います…。よろしく…。」
堂々と自己紹介をされて反射的に言葉は返したが
私の頭には「?」が無数に浮かんでいる