第4章 初期刀
シンと静まり返った室内
日も傾いてきて、辺りは薄暗くなってきている
無音の中、耳鳴りがするような感覚に陥る
心臓がドクドクと脈打つ
血管も同じようにドクドクと脈打つ感覚が────
「…ん?」
ふと、薄暗い中、目を凝らして自分の体を見ると、肘の辺りから出血していた
パニックで気が付いていなかったが、花瓶が倒れた拍子に壊れ、硝子の破片で切っていたらしい
想像以上に深く傷ついていて血が止まらない
────ドクン… ドクン…
血が滴る
傷口を見ると
更に恐怖や痛みが膨れ上がる
怖い 痛い 寂しい 逃げたい
こんな事になるなんて思っていなかった
どうすればよいのか分からない
審神者になるなんて
答えたのが間違いだったのか
血は止まらず、だんだん手先が痺れてきた
「何かっ、何か無いの!?」
薄暗い部屋の中を手探りで探す
?
ぶつかった棚の後ろに、柔らかな風呂敷で包まれた筒状の物があった
この風呂敷で傷口をどうにか!
頭ではそう考えるが
痺れた手先では思うように外す事が出来ない
次第に力が入らなくなり
体を起こす事もままならず
脱力し、その場に横たわる
「私、ここで死ぬのかも」
残る力で、風呂敷ごと自分に引き寄せた
薄れゆく意識の中、
その風呂敷に包まれた筒が仄かに光っていたが
何も考えることが出来ず、そのまま意識を手放した