第3章 新たな仲間
恐る恐る目を開くと、目の前には白い布を被った人物が立っていた
布をかなり深く被っているため顔が見えない
「あのー…」
顔を覗き込もうと体勢を屈めると、布の主は人影に気付いたのかハッと顔を上げた
布の隙間からバッチリと目が合う
綺麗な瞳───
思わず見惚れて時が止まる
「───くっ、俺は…、山姥切国広だ。」
すぐに目を逸らされたが、透き通るような青緑色の瞳の持ち主は、か細い声で名を名乗った
「…はぁ。」
見惚れた影響で思考回路がショートしかけた頭では、情報を処理しきれないようだ
絞り出した素っ頓狂な声が出てしまった
「…何だその目は。俺が写しだというのが気になるのか?」
悲しいとも悔しいとも取れる声色で話す山姥切
私はハッと我に返り山姥切に向き直る
「山姥切国広、初めまして!私はこの本丸の審神者です。名は、心春と言います。これからよろしくね。山姥切!」
「…写しの俺でも、迎え入れてくれるのか…?」
「写しだとか、そういうのは関係ないよ。今目の前にいる山姥切国広は、貴方しかいない。私は目の前にいる山姥切を歓迎するよ!」
ようこそ、この本丸へ
「ん…、よろしく頼む。」
あれ?山姥切、少し顔が赤かったような?
フードを深く被り込んでしまったのでもう顔は見えない、恥ずかしがり屋なのかな?
山姥切も本丸に加わり、新たな仲間が増えて更に賑やかになりそうな心春の本丸であった