第7章 Stand By You-あなたのそばに-
「はあぁぁぁぁ……何やっちゃってるんだろ……」
唯はシャワーを浴びながら虚しく呟いた。
遡る事数分前……
夏油にプリンを渡し、ドキドキしたまま自分もプリンを食べようとした時……
「うわわわっ…!!……いったぁ……ん……っえ…!?」
プリンを持ったままソファーに座ろうとしたが、ずっと手前だったのでそのまま盛大に転んでしまい……
頭からプリンを被ってしまった。
「唯!?大丈夫かい!?」
「あたしは大丈夫ですが…プリンが…泣」
「頭に食べさせてしまったね…(笑)髪にも服にも付いてしまっているし、とりあえずシャワーを浴びておいで?」
「はい…すみません……泣」
夏油に案内され、ベタベタのプリンを流すべくお風呂を借りていた最中だった。
“先輩にあまりカッコ悪いとこ見せたくないのに…ドジだって幻滅されたかな…”
一人で勝手にドキドキして緊張して失敗して迷惑をかけてしまったことを後悔していた。
顔を合わせるのが恥ずかしいなと思ったけど、いつまでも浴びているわけにはいかないので、しっかりと洗い流し浴室を後にした。
「傑先輩、お風呂お借りしました…あと…えっと…」
「あぁ、ちゃんと洗い流せたかい…って…」
唯の方を向けば髪を上に纏め、
夏油のTシャツをワンピースのように着ていた。
「慌ててお風呂に向かったので着替えとか持たなくて…ちょっとTシャツお借りしました…あとシャンプーも…」
「全然使ってくれて構わないよ…。私もシャワーを浴びてこようかな。ドライヤーはそこにあるから」
少し慌てた様子で夏油がお風呂に行くのを見送りつつ、濡れた髪をおろしてドライヤーをあてはじめた。