第7章 Stand By You-あなたのそばに-
「傑先輩のお部屋綺麗ですねー!」
「そうかな?何も無いだけの気もするけど(笑)」
他愛も無い話をしながら買ってきたものを冷蔵庫に入れ、ソファーに二人で座った。
二人用のソファーに二人で座ると思いがけず距離が近く…
急に意識してしまい一気に緊張して何を話したらいいのか分からなくなってきた。
「唯?やはり疲れたかい?」
急に俯いて無言になった唯に心配そうに声をかける。
“彼氏の部屋で二人っきり”
少女漫画でしか見たことのないシチュエーションに期待と不安が入り交じって何を話してどう接したらいいのか大混乱に陥っていた。
「だ…大丈夫ですっ…!…そうだ!さっきプリン買ったんですけど、傑先輩一緒に食べましょっ!取ってきますね!」
咄嗟にさっき寄ったコンビニの事を思い出し、冷蔵庫に取りに向かった。
冷蔵庫を開けながらチラッと夏油の方を見ればテレビを見ながらいつもの涼やかな顔をしている。
“傑先輩は全然普通だ…意識しちゃってるのあたしだけ…。いつも通りに普通にしないと…!”
一人で浮かれてると思われたくなくて意識してないように振舞いながらプリンを持って戻ったんだけど…
結局は表面上なだけで、中身は意識しまくっててドキドキしっぱなしだったせいか…
やらかしてしまった…