第7章 Stand By You-あなたのそばに-
高専内に術式を使ったまま入ってしまうとアラートが鳴ると言われたので高専の少し手前で降りて歩いていると唯の携帯が鳴った。
「硝子先輩からだ!もしもしー!」
『唯ごめん…急遽任務が入ってしまって今から行かなきゃいけなくなったんだ』
「え?これからですか!?」
『うん。山奥の村で怪我してるから治療しに行かないといけなくて…。悪いんだけど戻ってくるまで近くの店か…あ。夏油の部屋にでも居てくれない?』
「傑先輩の部屋……!?」
急に言われたフレーズに思わず声が出てしまい、それを聞いていた夏油によって唯の手から携帯が離された。
「硝子?どうかしたのか?」
『お、ナイスタイミングだな。灰原達が任務先で負傷したみたいで応援を頼まれたんだ。これから向かうから戻ってくるまで夏油の部屋に唯を置いててくれない?五条は今日も戻らないからバレることはないし』
「灰原達が?あぁ分かったよ。じゃあ戻ってきたら私の方へ連絡してくれ」
二人のやり取りで電話を切られてしまったので何がどーなったのか分からない…。
ポカンとして夏油を見れば“大丈夫”という顔をしている。
「とりあえず行こうか?案内するよ」
そう言われるがまま着いた先は
夏油の部屋がある男子寮だった。