第7章 Stand By You-あなたのそばに-
-唯side 学校にて-
「嘘!?良かったねぇ!おめでとう唯!」
「ちょっと…麻未ってば声大きいからっ!」
ホームルーム前に友達の麻未に昨日彼氏が出来たことと、来月撮影に行くお許しがもらえた事を話していた。
麻未には呪術とか呪霊は言ってないが、他の事はほとんど何でも話している唯一の親友で夏油の事も読モの事も色々と相談にのってもらっていた。
「撮影にも行けるし、素敵な彼氏も出来ちゃうし、運が良すぎない?羨ましいから少しお裾分けしなさいよね(笑)」
「ね?あたしも良すぎる気がする(笑)…惚気話でよければお裾分けするけど…?」
「うわっ、ないわー(笑)」
教室の一角で楽しくて話が盛り上がっていた。
盛り上がりすぎて…
それをじとっとした目で見ていた人がいた事に気付くことはなかった。
『あんな子がモデル?それに彼氏までいるとか……ふぅん…気に入らないわね……』
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-傑side 高専にて-
「…で?唯が可愛くて深ーいチューをしちゃいましたと?」
「はい…」
「クズだな。まぁ私の唯は可愛いからな」
「…硝子のじゃなくて私のだよ」
ここは高専の教室。
任務で担任も五条も不在の中、昨日の事を話していたところだった。
「…はあぁ…“いっつも落ち着いて周り見てて冷静です!”的な顔してるのに夏油もがっつくんだね」
「弁解の余地もないよ…。大切にしたいと思うのに唯を目の前にすると理性が飛んでしまう…」
「…そのまま襲うなよ?てかさ、五条には話すわけ?」
任務の為不在の“シスコンすぎるお兄ちゃん”が会話にあがる。
多分…いや、最大の難関だろう。