第1章 Story -出会い-
唯の鍵を見てからそれについても調べてみた。
俺の知識だけじゃ難しく家の人間にも調べてもらっていた。
「鍵を使って…何を開けるんだ?術式の解放…?あーわかんねぇ…」
考えても答えに辿り着けなくて疲れていた。
元々勉強とか考えるのは苦手だ。
頭が糖分を欲しがってる。
今日のおやつは何でもいいから砂糖がふんだんに入ったやつにしよっと。
そんな事を考えてたら部屋をノックする音が聞こえたので入るように声を掛けた。
「悟お坊ちゃま、例の星月夜という家系の事が分かりました」
「おっ、サンキュー。じゃあ話してもらっていい?それとついでに砂糖がたっぷり入ったおやつ持ってきてもらえる?」
俺がそう告げると頭を下げ部屋から出ていく。
少ししてまた失礼しますと声がして茶菓子を持って戻ってきた。
あー…どら焼きか。
今日の気分は洋風系なんだけどな…まぁ糖分不足だし今日は仕方ねぇか…。
渋々どら焼きを口に運びながら星月夜の家系のことを聞いた。
ざっくり掻い摘むと星月夜の家系は占星術のような術式を使い、戦いにもサポートにもまわれる御三家も認める一族だったそうだ。
ある時を境にその術式を受け継ぐ者が生まれず呪術師としての一族は衰退していったそうだ。
力ある者はどんどん欲しがるが弱く使えなければ目もかけられない。
御三家なんて利用価値しか考えてない奴等ばっかだもんなー…俺もその一族だけど。
一連の話を聞いてふと思った疑問をぶつける。
「なぁ、じゃあ何で唯は力を使えるんだ?今まで術式使える奴が産まれなかったのに突然力を持ったってこと?」