第6章 Escapadeー突飛な行動ー
「うわぁ……きれーい!!風が気持ちいいー♪アラジンになった気分!!」
「…魔法の絨毯のような可愛さはないけどね(笑)でも気に入ってもらえて良かった」
夏油の術式で呪霊に乗って飛んでいる…
呪霊なんだけど、隣に夏油がいる安心感と都会のネオンの煌びやかさに唯は凄くはしゃいでいた。
「こうやって飛べるの便利ですね♪あたしもこんな術式欲しいなぁ…。あ、あの建物は何だろう??」
「…あっ!」
飛んでいる高揚感と楽しさで気になる景色を見つけて前のめりになった唯を夏油はグイッと引っ張って自分の腕の中にすっぽりと収めた。
「…まったく、落ちたら危ないよ。私がシートベルトになるしかないかな」
「す…すみませんっ…/////飛んだの初めてで夢中になってしまいました…」
「ふふっ…それは構わないんだけど、私にもそのくらい夢中になってくれたら嬉しいかな」
さらっとキュン死にするような事を言う夏油の体温を背後に感じながら、この普通の人では出来ないありえないシチュエーションに思わず笑みがこぼれた。