第6章 Escapadeー突飛な行動ー
……ん?
あたしいきなり凄いこと言っちゃったんじゃない……?
ふと我に返り、慌てふためいて言った。
「あっ…えっと…ごめんなさい(笑)何でもないので今のは忘れてくださいっ!」
恥ずかしくて顔が真っ赤になりながら夏油に回していた手を離して離れようとした…が、逆に夏油に手を回されてまた抱き締められるかたちになった。
「ふぇっ…!?ど…どうしたんですか?//」
抱き締められた事にまた驚きつつも一言も発さず無言の夏油に対して不安になってくる。
「あのー…???傑先輩…???」
沈黙に耐えられず、恐る恐る声を掛けながら顔を上の方へ向ければ、そこには顔を真っ赤にして俯いている夏油の顔があった。
「傑先輩…顔赤いですよ?!熱でもあるんじゃ…」
言いながら夏油のおでこへ伸ばしかけた手をガッと掴まれた。
「……はぁ…唯ってコレを無自覚でやってるなら相当だよね…」
「無自覚……??何かあたししちゃいましたか!?」
俯く夏油の様子に何かしてしまったかと不安で慌てて問いかけた。
「唯…」
夏油の手が唯の顔に触れる。
そして唯の顎を押さえながら目の前まで顔を近付ける。
(も…ももも…もしかしてっ…傑先輩にキスされ…ちゃう…っ…!?///)
唯は思わず目をギュッと閉じた。