第6章 Escapadeー突飛な行動ー
……………………?
(……あれ???)
キスされると思って目を閉じたけど何事も起きないまま沈黙状態。
恐る恐る目を開けると…
少し悲しげな顔をした夏油の顔が目と鼻の先にあった。
(か…顔がっ…!!///近すぎるっ…!!///)
そう思いながら見ていると、頭をポンポンと優しく撫でられた。
「唯、顔が近付いてきたからって目を瞑ったらいけないよ…?男はみんな狼なんだから不意を見せたら唇を奪われてしまうからね」
そう言って夏油は唯から離れた。
唯は軽く返事をして何事も無かった振りをしながら隣を歩きはじめた。
(勝手に勘違いしちゃって…恥ずかしすぎる…っ///……でも……何かモヤモヤする……お兄ちゃんみたいに傑先輩もあたしの事…からかったつもりだったのかな…?)
悟に散々からかわれ過ぎているせいでモヤモヤを通り越し、フツフツと怒りが沸いてきて何となく夏油へ仕返しをしたくなった。
「あのっ…傑先輩、顔に何か付いてますよ?」