第5章 Lonesomeー寂しさー
ー唯 視点ー
「あれ?」
お風呂から出てみれば先程までソファーに居たはずの人物はいなくて探せばテーブルの上には書き置きが置いてあった。
「先に行くって…こんな時間に!?」
時刻は5:58。早過ぎるでしょ…。
もしかして何かやり忘れてたのかな?
みんなに迷惑かけてなきゃいいけど…。
「仕方ないし一人で朝ごはん食べよっと」
久しぶりに一緒に食べれると思った朝ごはんは思いがけず一人で食べる事になった。
✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱
「おはようございますー…」
高専に着いて教室のドアを開けると、そこには家入さんと夏油さんが座っていた。
「おはよう唯ちゃん」
「あ、おはよー!昨日は五条と大丈夫だったー?ってどっちも五条か…ややこしいか(笑)」
「確かに兄妹だから五条ですもんね(笑)家入さん、良かったら唯と呼んでください!」
「じゃあ唯って呼ばせてもらうわ!五条は五条だから変更なーし(笑)」
するとそのやり取りを聞いていた夏油がすっと手を挙げて唯に向けて微笑んだ。
「硝子がそう呼ぶなら私も唯って呼んでもいいかな?」
「えっ…!も、もちろんです!夏油さん!」
「ふっ…ありがとう…私の事も傑で構わないよ」
「あたしも硝子でいいよー!」
「そんな…恐れ多いですよ!…じゃあ硝子先輩に傑先輩と呼ばせていただいてもいいですか?」
そう言えば二人とも顔を見合わせて笑いながら“もちろん”と言ってくれた。
「そういえばお兄ちゃん知りませんか?先に行くって書き置きがあったんですけど」
「悟?まだ来てないんじゃないかな?」
「五条のことだから遅刻じゃね?」
……先に行くって言ったのに何処に行ったんだろう?
そう思えば教室のドアが開き…ー
入ってきたのは夜蛾先生だった。