第5章 Lonesomeー寂しさー
「うーん…」
ふと気付けば見たことの無い天井に壁。
……何処で寝てたんだ!?なんて一瞬慌てたけど白髪の長身がソファーで横になっているのを見て思い出した。
“そういえばお兄ちゃんの部屋だったな。あたしこんな薄着でベッド占領して寝ちゃったんだ…”
横にあった自分のパジャマを手に取って着ながらソファーへと向かう。
覗き込めば長い睫毛に綺麗な顔のお兄ちゃんがスヤスヤと寝ていた。
“ホント美形だもんなぁ。こんな顔に生まれたかったわ…って……んん?”
顔を見てそんな事を思っていれば昨日見たお兄ちゃんとの卑猥な夢を思い出して顔が真っ赤になった。
“何か凄くリアルな夢だったなぁ…でもお兄ちゃんと…なんて…ありえないよ…”
そう思えば悲しくなって涙が込み上げそうになってきた。
急いで立ち上がってソファーから少し離れもう一度お兄ちゃんを見て思わず呟いた。
「お兄ちゃんと兄妹じゃなければ良かったのに…」
そんな事を思っちゃいけないのは分かってるけど…思わずにはいられなかった。
時間は早いけど今日も高専に行くんだし準備しようと思い着替えとタオルを持ってお風呂へ向かった。
✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱
お風呂のドアが閉まりシャワーを出す音が聞こえてくる。
その音が聞こえてからゆっくり体を起こした。
そして白髪の髪をグシャグシャとかきながらため息をついた。
「あいつ…そんなに俺と兄妹なの嫌だったなんて…」
昨日の行動も原因だったんだろうけど…唯は少なからず受け入れてくれてるんだと思っていた。
実際それは俺の勘違いだったわけか…
“用があるから先に高専に行ってる”
そう書き置きを残して俺は寮を出た。