第4章 Middle Of Nowhereー何も無い場所ー
すると一帯が少し明るくなり花びらが舞いだした。
その花びらに惹かれるように呪霊の体がハラハラと蝶になり花と蝶が一体となって消えていった。
“良かった、ちゃんと出来た…!”そう思い後ろを見れば驚いた顔の四人の姿。
ん?四人?人数増えてない?
よくよく見ればお兄ちゃんも居た。気配なさすぎだわ。
建物の中から呪霊が消え帳が上がったので外へ向かった。
外に出て車までさっきの術式を軽く話して高専に戻ってから色々と詳しく聞きたいといわれ車に乗ろうとするとガシッと腕を掴まれた。
「へ…?お兄ちゃん何…?」
「お前俺と一緒に戻るぞ。車には乗らなくていい」
「え?いや普通にみんなと車で帰りたい…よ?」
「人数的に全員乗れねぇだろうが」
…それはお兄ちゃんが来たからでしょ!?
みんなで車できたんだよ乗れるに決まってるじゃん!
お兄ちゃんだけ別で帰ればいいだけなんだけど…。
そう思い顔を見れば明らかに機嫌の悪い顔をしてる…。
空気を読んでお兄ちゃんと共に高専へ戻るから先に行っててくださいと告げた。
三人とも気の毒そうな顔をしてたけど“後でね”と交わして行ってしまった。
ー…残された不機嫌なお兄ちゃんとあたし。まず何で機嫌が悪いのか分かってないから対処のしようがない。
どうしようかと思っていたらお兄ちゃんが口を開いた。
「唯、話があるからさっきの建物入ろっか?」