第4章 Middle Of Nowhereー何も無い場所ー
「ねぇねぇ!五条って兄としてどう?ウザくない?」
「硝子…いくらなんでもそんな聞き方したら唯ちゃんが困るだろ…」
「いえ大丈夫ですよ!ウザいっていうよりは過保護が凄くって困る事は多々ありますね…」
「机の中に殺すぞ♡事件の話を聞いてさ?夏油と一緒に妹ちゃん気の毒すぎるって思ってたんだよ!なっ夏油?」
「あれは悟がやり過ぎだろう…。でもまさか悟の妹だったなんてなぁ…」
机の中に殺すぞ♡事件って…。
ネーミングセンス良すぎて笑えた。
お兄ちゃんは高専でも相変わらずなんだなー。
でもクラスの人と仲良くしてるみたいで安心した。
そしてー…制服姿の夏油さんがカッコイイっ!!
この姿を毎日見れるお兄ちゃんが羨ましい…。
そう思って見てれば夏油と目が合い夏油が微笑んできた。
「二週間ぶりかな?あれから術式はどうだい?」
初めて会った時から夏油は定期的に唯のもとを訪ね、術式のアドバイスや相談にのってくれていた。
「夏油さんからアドバイスを貰って出来ることがもっと増えましたよ!高専に来たら会えるかなって少し期待はしてたんですが…まさかお兄ちゃんの同級生だったとは…(笑)」
「大したアドバイスなんてしてないが…それなら良かった。てっきり唯ちゃんのお兄さんが来ると思っていたから驚いたな…そしてそのお兄さんがまさか悟だったとは…」
“五条悟”というMr.適当のせいでお互いがすれ違って誤解をしていた。
「夏油は唯ちゃんの術式見た事あんの?てか知り合いだったんだ!五条は知り合いだって知ってんの?」
「悟には話してないから知らないよ。言ったら面倒臭い事になるから硝子も分かってるよね?」
「教室吹き飛ばされるのも逃げるの大変だから言わないよ(笑)あたしも妹ちゃんの術式見たいな!」
そういえば術式を見せに高専に来たんじゃん。
本来の目的が分からなくなってたよ。
「先生戻ってきてからの方がいいですよね?」
「え、いなくていんじゃね?」
「硝子…夜蛾先生も見たいと言ってただろう…」
“そうだっけ?”なんて話をしていたら夜蛾先生が戻ってきた。
先生だけね、お兄ちゃんは置いてこられたみたい。