第4章 Middle Of Nowhereー何も無い場所ー
「「あっ!!」」
「夏油さん!?」
「唯ちゃん?何故ここに?」
唯と夏油が驚いている様子を見て夜蛾と硝子が目を丸くしている。
すると教室の扉が勢いよくバーンと開きそこには柄の悪そうな白髪にサングラスの男。
「お、ちゃんと来れたんだ。任務終わったよー」
ヘラヘラと手を振りながらあたしに近付いてきた。
あたしは目の前のこの男に凄く言いたくて仕方がない事があったから怒りながら言葉をぶつけた。
「もー…お兄ちゃん!!何であたしの事男の人だって言ってたの!?」
「「「お兄ちゃん…?」」」
あたしがお兄ちゃんに文句を言った途端に三人から聞こえる疑問形の声…
それを聞いて当の本人はお腹を抱えて爆笑していた。
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「えっと…改めまして五条唯です。宜しくお願いします」
「五条の妹に見えないなー、礼儀正しいし!あたしは家入硝子だよ。宜しくねー」
「初めてではないから名乗るのも変な感じだけど…。夏油傑です。唯ちゃん改めて宜しくね」
一通り自己紹介をしてもらった。
お兄ちゃんが色々と嘘ついたり黙ってたりしてたせいで妹だとも知られておらず、あろう事か性別まで変えられていた…。
見えてないとこでまであたしをイジめる必要ある!?
でも先生も夏油さんも硝子さんって女の人もみんな同情してくれていて全部お兄ちゃんが悪かったって分かってくれたみたい。
お兄ちゃんは先生に報告書を書くのにズルズル引き摺られて行っちゃった。自業自得だからしーらない。
先生も不在となった教室では雑談タイムが始まっていた。