第4章 Middle Of Nowhereー何も無い場所ー
「ふぇー…人もドロドロしてるのもいっぱいだぁ…」
東京に到着しての一言がこれでは田舎者丸出しだ。
でも実際来たのは初めてだからキョロキョロしていると高専の方から声を掛けられた。
こんなに人が多くて出会えなかったらどうしようって思っていたのでほっと一安心した。
車で進めば進むほど“あれ?ここ何県だっけ?”的な山奥というか辺鄙な所へと景色が変わっていく。
別の意味での不安が襲いはじめた頃“到着しましたよ”と声を掛けられた。
荷物を持ってその人にお礼を言い歩き出すとでかくて強面の男の人がズンズンと近付いてきた。
✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱
「わざわざ来ていただいてすみません。そして誤解をしていてすみません…」
「いえっ…男性だと思われていたなら仕方ないですよ(笑)」
夜蛾と名乗ったその人は超強面だけど高専の先生だそうだ。
そして何故かあたしの事は男性だと思われていたらしく着いた瞬間に不審者扱いを受けていたのだ。
…あたしを男だって伝えるなんて心当たり一人しかいないけど。
当の本人は任務中だろうし後で怒ればいいや。
その先生の後を着いていくと教室へと案内されー…
中へ入ると見慣れた顔があった。