第4章 Middle Of Nowhereー何も無い場所ー
ー夏油 視点ー
悟が例の呪術師を高専に呼ぶ約束をしたと。
とても気になったので会えるのも術式の事を話せるかもしれないのも素直に嬉しかった。
その呪術師を知っている悟にどんな感じなのか聞くと面倒くさそうに“来た時に見ればいいだろ。教えるのやだ”なんて言い出した。
最近、呪霊操術が上手くいかない私は何か手掛かりが欲しくて焦っていた。だから普段と変わらない悟の態度を流す事が出来なかった。
「…悟、概要だけ教えて欲しいんだがそれがそんなに面倒なのか?」
「面倒だよ面倒!二度手間だろ?真面目ちゃんと違って俺は忙しいの!」
「…ほぅ?ちょっと外で話そうか悟」
「寂しんぼか?一人でいけよ」
そしてアラートが鳴り響き私達は夜蛾先生に鉄槌をくらった。
悟があてにならない事を理解し、手掛かりがないか直接行ってみることにした。
窓が見つけた場所付近を探っていると、ある建物に行き着いた。
この辺に居たら現れないかなと建物が見える位置で身を潜めていると一人の人物が中へと入っていこうとしていた。
「女性だよな…?非術師ならまずい…っ」
そう思って急いで中へ入ると何かを纏って躊躇なく上へ上へと上っていく姿があった。
呪力を感じるから呪術師だろう…。お目当ての人物ではないが勉強させてもらおう。
そう思って後ろから静かに着いていった。
上に着き呪霊の前に立った彼女は何やらブツブツ言って棒のようなものを片付けー…
私が一番見たかった祓い方をした。