第3章 Sister ー大切ー
翌日ー
お兄ちゃんは皆に見送られて悪態をつきながらも笑って行ってしまった。
昨日あたしがあげたサングラスを付けてくれていたのが嬉しかった。
お兄ちゃんの姿が見えなくなった頃、“ ふわあぁ…”と欠伸がでた。
「ふふっ、大きい欠伸ねぇ。唯も寝不足なの?」
隣にいたお母様がクスクス笑いながら言った。
「…あ!!ご…ごめんなさいっ!つい…ってお母様も寝不足なの?」
「私はちゃんと寝たから眠くないですよ。悟が朝から何度も何度も大欠伸してたから兄妹揃って寝不足がおかしくって(笑)」
「お兄ちゃんが?高専行くの楽しみすぎて寝られなかったのかな?」
「どうかしらね?悟のことはいいとして唯はもう少し休みなさい?お肌にも悪いわよ」
「じゃあ部屋でもう少し休もうかな…。お昼ご飯はちゃんと食べるから片付けないでてね?」
そう言うとお母様は“食い気は人一倍なんだから”と言ってまた笑っていた。
眠たすぎて瞼が閉じそうなのでフラフラと部屋に戻った。
寝不足の原因はお兄ちゃんである。
昨日のキスが頭から離れなくて一睡も出来なかった…
お兄ちゃんは余裕そうに行ったけどあたしはまだ復活出来てない…
でも何でお兄ちゃん寝不足だったんだろ???
「とりあえず寝よっと…。お昼ご飯何かな…」
キスの事を気になりつつも色気より食い気。
ご飯の事を考えてたら即眠りにおちていた。