第3章 Sister ー大切ー
お兄ちゃんが高専に行ってから数日後ー
あたしは中学二年生になった。
始業式…そして今回はお兄ちゃんのいないクラス替え!
何人か去年お兄ちゃんがいらん心配をして威嚇した人は居るけど…それでもウキウキしていた。
「唯凄くウキウキしてるね!どうしたの?」
クラスメイトがそれを見て声を掛けてきた。
「だってやっっとあたしも青春を謳歌できそうな気配がしてきたんだよー☆お兄ちゃんの妨害もない!彼氏作ってラブラブになってやるんだからーっ!」
ニコニコ顔で野望を伝えると視界に入るのは友人の困ったような笑顔。
あれ、あたし何か変な事言った???
じーっと見れば凄く言いにくそうに彼女は答えた。
「青春は謳歌出来るだろうけど…彼氏は難しいかな…?」
「…顔とかスタイルがパッとしないのは分かってるんだけど、こんなあたしでもいいっ!って言ってくれる人がいるかもしれないじゃあん…(泣)」
そう言えば彼女は慌てて言った。
「違うよ!唯は可愛いよ!そうじゃなくて…机の中見た方が早いかな…」
机の中??
そっと覗き込めば一枚紙が入っていた。
それを見て全身から血の気が引いていった。
立ち尽くしていると彼女は優しく肩を抱いた。
「唯のお兄さん…唯への溺愛凄いね…(笑)」