第3章 Sister ー大切ー
何かもっとキスってロマンチックなのかなって思ってたのに、あたしの頭の中は大混乱で。
何でキスしたのかとか、睫毛長いなとか、相変わらず瞳の色綺麗だなぁとか今要らないでしょって情報も入ってきてまとまらない。
で、顔を赤くしたまま口をパクパクしてればお兄ちゃんはあたしが変な顔してたからしたとか言ってきた。
……ムカついた。
女の子に興味無いフリして陰ではやる事やって遊んでたんじゃんって。
でなきゃこんな軽く妹にキスとかしないでしょ!!
本気で怒ったけど、てへぺろ♡とかやられて…
何かこういうやり取りもしばらく出来なくなるんだなって思ったら何か笑えてきちゃって。
仕方ないから怒るの諦めちゃった。
…心臓はバクバクしっぱなしだったけど。
お兄ちゃんに何言っても口でも何でも適わないから普通のフリをした。
離れちゃう前にまで喧嘩とかしたくないし…。
ギクシャクしちゃうのも嫌だし。
まぁ男子と話すなとか相変わらずな事を言われて…
とりあえず返事しておいた。
離れればバレないもんね…(笑)
おやすみなさいと挨拶してお兄ちゃんの部屋を出た。
自分の部屋の扉を閉めてから…
その場にヘナヘナっと座り込んだ。
「…あたしのファーストキス……(泣)お兄ちゃんの馬鹿ぁ…」
半分泣きそうになりながらも鼓動が激しくて苦しかった。