第3章 Sister ー大切ー
「…え…っ…!?」
驚いて唯が離れた。
顔を赤らめながら何が起こったのか混乱した顔をしていた。
そりゃそーだろうな。
俺自身も何でキスしちゃったのか分かんねぇもん。
だから咄嗟に誤魔化した。
「唯が変な顔してるからしちゃった♡てへぺろ♡」
「……ちょっと…てへぺろ♡じゃないでしょっ!!ビックリして心臓止まるかと思った!からかわないでよー!!」
まだ顔を赤くしながら怒って俺を叩いてきた。
ごめんって笑いながら答えれば文句を言いながらも唯も笑ってたからうまく誤魔化せたんだな。
いつも通りの唯を見てからギュッと抱きしめて言った。
「お前は俺の自慢の妹だよ。俺が最強だから並びたいのは分かるけど無茶はするなよ?あと男子と話すのは禁止。話しかけられたらSiriのフリして分かりませんって返事しろよ」
「え…?凄くいい話を言われるのかと思ったら何か最後の方おかしくない?何でSiriのフリしなきゃいけないの…」
「ん?Siriがお気に召さないならpepperくんでもいいよ?」
「そういう問題じゃなくて…わかったよ…はぁ…」
「分かったならよし!あといじめられたりしたらすぐ連絡よこせよ?速攻でやっつけてやるから」
「…お兄ちゃんがやっつけたら灰しか残らなくなるよ…はぁ…そんな心配しなくても大丈夫だから!お兄ちゃんこそ怪我とか気をつけてよね!」
はいはいと返事をし唯を離す。
おやすみなさいと言って唯が部屋から出ていった。
「…やっちまった…」
俺の呟きは部屋の中に溶けていった。