第3章 Sister ー大切ー
「……よしっ!これで最後だな」
衣類を詰めた最後の段ボールを玄関に置き部屋に戻った。
高専の寮にはテーブルとか机とかベッドは備え付けらしいが、身の回りの物はほとんど送る事にした。
ガランとした部屋に残されたベッドに横になった。
「あー…地味に疲れた。これあっちで荷解きすんのもだりぃな…つーか色々めんどくせぇなぁ…」
ため息をつきながらボヤく。
俺は明日この家を出て高専の寮に入る。
都合の悪いことは忘れようと瞼を閉じかけたらノック音がした。
“どーせ唯だろうな”そう思って返事すればビンゴだった。
「ごめんね準備してた?」
「いや終わったから大丈夫」
「なら良かった!あ…あのね、大したものじゃないんだけど…」
そういってラッピングされた箱を渡された。
「え、俺に?」
「もちろん!良かったら開けてみて?」
ガサゴソと開けてみるとサングラスが入っていた。
さっそく目の前で付けてみると唯は似合うと言って笑った。
「サンキュー!でも何で急にプレゼント?」
「お兄ちゃんへの入学祝いだよ!離れるのは寂しいけど私ももっと強くなるように頑張るからね!」
「唯…。ホントありがと。術式も使いこなせてきたし程々に修行しろよ?」
そう言って頭を撫でてやると気持ち良さそうに目を閉じて笑った。
その顔を見てたらどうしても我慢できなくなって、、、
唯の唇に俺の唇を重ねてしまった。