第2章 Determination ー決意ー
あの事故の日の翌日からが大変だった。
あまりにも悲惨な事故にマスコミはメディアで大きく報道していた。
亡くなった人の実名が報道されー…
星月夜 澪は死亡
星月夜 唯は行方不明
これが全国に出てしまった。
星月夜の子孫がいた。
術式を持っているかもしれない。
行方不明ということは生きている可能性がある。
術師達は名前しか知らない唯を躍起になって探し始めたのだ。
もちろんうちの奴らも流石に気付いたよね。
現当主様に呼ばれ、隠してもどーしよーもないと思い知っている事は伝えた。
…蝶のような術式と鍵の事は伏せておいた。
いくら自分の家とはいえ五条家も唯を利用しないとは限らない。
唯には呪霊が見えても何もするなと伝えてあるし、第一この家には結界が張ってあるから家の中で呪霊が現れることはない。
伝え終えると俺が予想していた答えとは違うものが返ってきた。
「その子を養子として引き取ろう」
「…え…?は…?呪力あるかも分かんないのにいいわけ?」
「術式が開花するかも知れない。だから呪術についての勉強はせねばならん。もし開花しなくてもお前が責任持って面倒をみれるのだろう?」
「それは当たり前だろ。唯は俺が守るし」
「星月夜を名乗る限り禪院家や他の術師に狙われる可能性は大いにある。養子に入り五条を名乗った方がお前も守りやすいだろう」
…ここまで頭の柔らかい奴…おっと。
融通が効く当主様だと思ったのは初めてで目をパチパチさせた。
すると俺の様子に気付いた母親がニコリとして軽やかに言った。
「私も娘が欲しかったから何だか嬉しいわ。悟はお兄ちゃんとしてしっかりしないとね」
「…分かってるし。」
今までワガママに好き勝手やってきてたのを正せと言わんばかりの圧を感じた。