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雷の竜と鬼

第5章 ファンタジア


……………


ファンタジアのパレードが始まる。
皆自分の魔法を使いパレードを盛り上げる。
そしてマスターの番がくる…


「マスターだ!!マスターが出てきたぞ!!」「なんか妙にファンシーだ!!」「似合ってねぇ!!」「そのコミカルな動きやめてくれ!!」


路地からパレードを見るラクサス。彼の中にある記憶が流れる。


<じーじ!!今回は参加しないの?ファンタジア!!>
<お前の晴れ舞台じゃ。客席で見させて貰うよ>
<じーじのとこ見つけられるかなぁ…>
<わしのことなどどうでもよいわ>
<…!!じゃあさオレ、パレードの最中こうやるから!>
<何じゃそれは>
<メッセージ!じーじのこと見つけられなくてもオレはじーじのこといつでも見てるって証!!>
<ラクサス……>
<見ててな!じーじ!>


ラク「フッ…」

静かに笑うラクサス。顔をあげるとそこにはあのポーズをしたマスターとギルドのメンバーが

ラク「……!!じーじ…」

涙を流すラクサス

マス(たとえ姿が見えなくとも…たとえ遠くに離れていようと…わしはいつでもお前を見てる。お前を…ずっと見守っている)


……………


マグノリアを出ようとするラクサス。そこに神鳴殿を破壊するだけしてギルドに顔を出さなかったアカリの姿が。

アカリ「破門ねぇ…そんなことより私になんかいうことあるんじゃないの?」

ラク「居たのか…」

アカリ「300個分の生体リンク…いくら雷耐性があっても痛いもんは痛いんだけど?」
 「なんなら今ここで同じくらいの雷ぶつけてあげてもいいけど?」

ラク「悪かったよ…ほんと…」

アカリ「へー…ずいぶんと素直になったのね」

ラク「…アカリ」

アカリ「なに?」

ラク「マスターのこと頼んだ」

アカリ「!!…散々迷惑かけといて自分のじいさんの介護まで頼むっての?」

ラク「…わるい」
 「じゃあな…頼んだぞ…」

アカリ「ちょ…私頼み事聞くなんて言ってないんだけど…」

ラクサスはマグノリアの街を出て行く。アカリに1つの頼み事を残して。

アカリ「ほんと……いってらっしゃい。ラクサス…」

そう呟いたアカリの言葉はラクサスに届いたのか。
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