第17章 大魔闘演武
イワン「どうやら教えてやる必要があるみてぇだな対妖精の尻尾特化型ギルド…大鴉の尻尾の力を」
ラク「それとなもう気付いてるだろうがこの幻影を見破ってるやつが1人いるんだよ」
イワン「やはりあの女か……だがたしかあの女は今魔力が安定してないはず…そんな状態で助けに来るわけがない。気にするまでもないな」
ラク「わかってねぇな…」
イワン「まぁいい…我々は妖精の尻尾のメンバーそれぞれの苦手とする魔法の使い手のみで構成されている。……お前達の弱点は知り尽くしている。我がギルドの7年間ためた力を開封しちゃうぜ」
ラク「ジジイはあんたのことなんざとっくに調査済みだ」
イワン「調査済みだと?」
ラク「そう言ったろ…構成人数、ギルドの場所、活動資金、この7年間の動向……すべて掴んでる」
フレア「ガジルだ……あいつが謀ったんだ」
イワン「二重スパイだったのか」
……………
メイ「対妖精の尻尾特化型…ですか」
マス「バカ息子のとこの魔導士の情報はすでに共有しておったのですが……うち数名は的確な調査がまだでしてな。とくにあのアレクセイという者……素性はおろか存在すら情報がない」
……………
ナルプ「筒抜けの割には特にリアクションも無かったでさ」
ラク「ジジイはそこまでつかんでいながら動かなかった……」
―――――
ラク「なぁジジイ…ほんとにほっといていいのかよ。親父は妖精の尻尾にとって不利な情報を持ってるとか言ってただろ」
マス「あれからもう7年も経ってるんじゃぞ……」
ラク「けどよ」
マス「この7年の間…その情報が漏洩した形跡がない」
ラク「そんなこと言い切れねぇだろ」
マス「いや、間違いない…その情報を他言する危険性をヤツは十分に理解しておる」
ラク「なんなんだよ…その情報ってのは」
マス「知らずとも良い……どんなギルドにも触れてはならん部分がある。この7年イワンは悪さもせずにうちのメンバーへの危害も無かったと聞く…ヤツが動かぬ限りわしもことを荒立てるつもりもない」
―――――
イワン「……」
ラク「多分…ジジイは心のどこかであんたのことを信じていたんだろうな……親子だから」