【鬼滅の刃】after story【闇を照らして】
第1章 闇を照らして 祝言
月奈自身、そうして杏寿郎の元を去ったのだ。
普通の女性と傷物の自分を比べ、勝手に失望して杏寿郎から離れた。
(あの頃、こんな風に話せていたら結果は違ったのかもしれない)
「他人と比較して羨みや妬み嫉みを増したところで、自分には何の得もありません。ですがこれも所詮綺麗事です」
煉「綺麗事...」
「比較してしまうのもきっと人間の性なのでしょう。比較するなと言えた立場ではありませんが、経験として言うなれば結局の所は相手がどう見ているのか、これが全てです」
経験者ですから!と言わんばかりに胸を張って言い切った月奈に杏寿郎は目を丸くして驚いている。その顔がなんだか面白いと感じた月奈は少し笑ってしまった。
「普通の女性であったならば、と比較して杏寿郎様にはもっとお似合いの女性が居ると離れたあの時、杏寿郎様はどう思われたのか私には分かりません。ですが、今の状況に置き換えるならば...」
腹立たしかったのではないだろうか。当人は考えてもいない事を勝手に想像し不安を抱え、挙句の果てついと目の前から消えてしまうなんて、身勝手過ぎる。
「きっと怒っていたのではないでしょうか?ちなみに、私の中で杏寿郎様と雅雄様を比較した事はありますよ」
鍛錬場で雅雄に真っ直ぐ見つめられ、守ると言われたあの時だ。
比較したことがあると言われた杏寿郎は腕を組んだ状態で固まってしまった。聞きたくない、という意思表示なのかそれとも自身の考えが的中するかもしれないという不安なのか不明だったが月奈は躊躇うことなくハッキリと言い放った。
「女性として雅雄様に惹かれる理由がある、ということは分かりました!でも"杏寿郎様がこの世界にいなかった場合"と言うのが大前提であって、それ無くして比較などなりはしません」