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【鬼滅の刃】after story【闇を照らして】

第1章 闇を照らして 祝言



宇「朝霧、だったか?煉獄も勿論だが月奈に関わっていた人間皆、あいつが傷付くのはもう十分だって思ってる。人の為なら自分が傷付くことを厭わない、それは無事に生き残れば美談だけどな鬼殺隊の隊士としては危うい考えだ。分かるか?」

自身が傷付くことを厭わない、それはつまり人の為なら命を投げ出すことも有り得る。鬼殺隊に居た頃は生傷が絶えなかった月奈を思い出せば、容易に投げ出す姿を想像出来てしまい雅雄はゾッとした。

煉「そうならない為に皆が守ると言っても聞かない。かといって閉じ込めることもままならん。鬼殺隊に関われば関わる程、他者の為にという気持ちは強まるだろう」

だからこそ鬼殺隊を離れ、一般的な家庭へと嫁ぐことは月奈にとって平穏な日々を送れる選択だった。

煉「一度手放せたならば二度も変わらない、朝霧少年はそう思ったと胡蝶から聞いている!確かにそうだ、しかし月奈の意志を無視は出来なかった」

皆を守りたいと言った月奈。
その意志を尊重すれば隊士に戻すことが最善だった。しかし周りはそれを良しとは出来なかった。天元の言葉通り"危うい"と分かっていたから、その上で月奈は他者を優先しろと言った。

宇「な?誰も簡単に考えることなんて地味に出来ねぇだろ?本当、派手に難しい問題だったんだからな!」

雅「そこまでの事を知らなかったので軽率な発言については謝罪します。ですが、炎柱様は本当にこれで良かったのですか?」

結局の所、見える場所かそうでないかという違いだけで月奈が危険に晒される可能性がある状態を許してしまっていることに雅雄は少し眉根を寄せた。

煉「見えなければ良い、なんて話ではないにしろ月奈を表立って守れないのならば自分が出来ることは一つしかない。鬼を月奈に寄せ付けなければ良いということだ!先に俺が斬れば良い話だ!」

ーいとも簡単に言うけれど、それは理想論でしかない。しかしそれを可能とする力を持つ柱ならばあるいは...。

信じてしまいそうになった自身に、雅雄は肩の力が抜けた。"信じられる"ではなく"信じてしまう"のだ。それは柱だからという理由だけでは無く、真っ直ぐで嘘を吐かない杏寿郎だからなのかもしれない。

雅「なるほど。俺では駄目な理由が何となく分かりました」
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