第7章 冷たい宅配便/小さな科学者と
「使うのは綿棒とかゆみ止めとタクシーのレシートだ」
コナンが3つの道具を手にする
まさか一番使わないと思ったレシートが選ばれるとは…
話によると、レシートは酸性の発色剤が使われて、他の薬と反応させて黒い文字を浮き立たせているらしい
そこにかゆみ止めのアルカリ性分を含ませると…
「すごい!文字が消えました!」
かゆみ止めを含んだ綿棒でなぞった部分が消えた
カード支払いという意味の「Card Purchases」からaの一部と余分な英字を消し、「Corpse」、つまり死体という単語を作り出した
「仕上げにこの冷蔵車のナンバーをカード番号や電話番号をうまく消して表せば、この車は死体を乗せてると伝えられるってわけさ!」
なるほど、これは面白い!
これを大尉の首輪に挟んでおけば、奴らに大尉が捕まったとしてもただのレシートとしか思わないだろうな…
「安室さん、今日はポアロだって言ってたよな?」
「うん、昼過ぎから出勤してるよ」
なるほど、これは透兄ちゃん宛か…
「あの人ならすぐに気付いてくれるだろーぜ…」
「うん、すぐにわかると思う」
そしたらきっとスマホを手にすると思うし、オレからの連絡にも気付くはずだ
大尉が無事にポアロに向かいますように…!
「あ!止まるみてぇだぞ!」
「大尉、しっかり頼んだよ!」
大尉の頭を撫でて扉の方に向けて下ろした
そしてまた6人で奥の箱の陰に隠れる
「ね、猫が乗ってるぞ!?」
ガバッと開けられた扉に向かって大尉が歩き出すと、2人組の片方が大尉を抱き上げる
「さては開けっ放しにしてた時に忍び込みやがったな」
その通りです
きちんと閉めててくれればこんなことにはならなかったんだからな!
「ん?首輪に紙が……あっ!」
フギャフギャと鳴きながら嫌がる大尉
首輪に付けたレシートに気付かれてしまったが、なんとか取られる前に逃げ出すことに成功した
これであとは大尉がポアロに行き、零にレシートを見てもらうのを祈るだけ
にしても……
「「「「「「寒ぃ~……」」」」」」
ここに入ってどれくらい経っただろうか…
パーカーを被って三角座りで膝を上着の中に入れ、みんなでくっついて助けが来るのを待った