第7章 冷たい宅配便/小さな科学者と
「でもあなたが…」
「オレは大丈夫。丈が長めのプルオーバーパーカーだし、トランクスなら一見短パンにも見えなくないから」
ちょっと無理があるかもしれないけど、女の子のパンツ姿よりはマシなはず
「脱ぎたてで悪いけど、我慢して穿いて?」
「あ…ありがとう……」
嫌がられたらどうしようかと思ったけど、とりあえず穿いてくれて良かった
「良かったな灰原!俺のじゃでっけぇしな!」
「えぇ…これなら本当にいつ出ても大丈夫よ」
ハハ…元太のじゃ誰が穿いてもでかいな…
さて、寒いのはなんとか我慢できるけど、完全に冷える前に方法見つけなきゃな…
「ニャー…」
「大尉~、元はと言えばお前がこんな所に入ったからこうなったんだぞー。なんか知恵出してくれよ~」
素肌になった膝に大尉を乗せると温かみがあり、猫の手は借りられないけどそのモフモフは借りられそうだ
ちょっとの間寒さしのぎをさせてもらおうと思う
歩美ちゃんや元太がメモを外に落とす作戦を考えるも、頭脳派な光彦と哀ちゃんにデメリットをつっこまれてしまう
確かにメモを見た人がすぐに警察に通報してくれなそうだし、そもそも拾ってもらえるかもわからない
上手く落とせなくて扉に引っかかってしまってはあの2人組にバレてしまうし…
「!!」
大尉をじぃーっと見ていたコナンの表情が変わった
何か思いついたかと聞くとまだ少し悩んでいるみたいだったけど、みんなに話し始めてくれた
「このトラックが停まってたのは三丁目、次が四丁目の家2軒…んじゃ次は?」
「ご、五丁目じゃないでしょうか…」
さすが光彦!
「五丁目って言ったらポアロ付近か?」
「そう、この大尉の根城…夕方になると餌をねだりに行くポアロがあるのが五丁目だ!」
ということは、大尉なら確実にポアロまで行ってくれる
猫一匹が荷台から出てきたとしてもそのまま出してくれるだろう
「大ちゃんに助けてって手紙を届けてもらうんだね!」
「首輪に挟んでおけばきっと梓さん気付いてくれますよ!」
「それでいこーぜ!!」
「でもこの仔が出る時にあの2人に紙に気付かれたら…」
哀ちゃんの言う通り、普通に書いたのでは見られてしまった時にアウトである
「心配ねーよ、あいつらに見られても気づかれねぇ暗号作ってやっから」
暗号……?