第7章 冷たい宅配便/小さな科学者と
「ポアロに出てたらさすがに無理か…」
「でも着歴は残ったし、不審に思えば透兄ちゃんならオレのGPS辿れるから、残りの充電大事にしといた方が良いかも」
折り返しかかってきてもすぐに切ればおかしいと思うし、辛うじてヘルプのスタンプだけは送れたから何かあったんだとGPSを見るはず…
あとは時間と充電の問題か…
「オメーら持ってる物を俺の前に出してくれ!それで何かできねーか考えてみっから」
コナンに促されて各々ポケットを探り出していく
オレは直帰予定だったから小さめのボディバッグをナナメに掛けて持ち歩いてるが、今日は財布・鍵・ハンカチ・手帳・ペンくらいしか入ってない
歩美ちゃんはハンカチ・ティッシュ・綿棒・飴、
元太は絆創膏・チョコバー・痒み止め、
光彦は財布・ハンカチ・手帳・ペン…オレと変わりない
みんな性格通りな持ち物だな…
「あとはタクシーのレシートですね…」
「タクシーのレシート?」
「多分お父さんのが落ちたんでしょうけど、拾ったのをお母さんに渡すの忘れてました…」
使えるかわからないが、そういう物までしっかり出す光彦
哀ちゃんに貸している上着のポケットには何も入ってないようで、これで全部揃ったな…
「灰原オメーは何か持ってねーのか?」
「え?」
「ああそっか!オメーはパンイチだった…」
ポカッ━━!
「言い方…」
無神経なコナンにゲンコツを落とす哀ちゃん
今のは女の子に向かってサラ~っとパンイチとか言っちゃったコナンが悪いぞ
しかし、哀ちゃんがかがむ度にチラチラしてしまう白いパンツはよろしくないと思う
「なぁ哀ちゃん、良かったらオレのズボン穿いて?」
自分のズボンを脱ぎパンパンと音を立てながらほろった
女の子が恥ずかしい思いをするのは良くないし、何より上着を着ていてもパンイチはよくない
「え?大丈夫よ、上着で隠れてるし、寒いのは平気だから」
「今は暗いからいいけど、隠れてるようで隠れてないよ?万が一犯人に捕まった時だって布1枚あるのと無いのでは防御力が違うんだから…」
そして耳打ちでこっそり伝えた
「あと、サッカーする時もあんな短いの穿いてシュート決めたら見えちゃうし…無防備にも程があるよ」
「えっ…///」
ズボンを差し出しながらニッと笑ってみる
「小学生でも女の子は女の子なんだから、自分をしっかり守らないとな!」