第7章 冷たい宅配便/小さな科学者と
暗闇で照らす死体は気味が悪い
少年探偵団の反応はというと、死体を見るのは初めてではなさそうな様子であった
この子達も「慣れてるから」とか言い始めるんじゃないかと恐ろしくなる
「殺したのは恐らくさっきの業者の2人組だーろーぜ…」
「「「えぇ~!?」」」
あの2人組の会話からしてコナンの言うことは間違いではないだろう
「冷蔵車で冷やして死亡推定時刻を遅らせようって魂胆だな」
「あぁ。後でどこかに死体を放置して発見されたとしても、犯行時刻に2人はせっせと仕事をやってたって事になる」
なんで、どうして、と言う子ども達にオレとコナンが推理で伝えていく
ただ、この死体がどこの誰で、どうして殺されたのかまでは、この状態ではわからないけど…
「荷物を落として印象付けようとしてるのも、その時間は配達に来ていたと証言してもらう為…要はアリバイ作りだな…。死斑が出ないように箱ごと転がしてるみたいだし…」
オレの話に合わせてコナンが箱を照らし、箱の角が潰れて側面が汚れているのをみんなに見せた
全く、よく考えたよ…
そもそもあの2人組は本当に宅配業者なのか?
もしかして宅配業者に成りすました殺人犯で、このトラックは盗難車じゃないだろうな…
「な、なんかすげぇなお前!」
「え?」
元太に凄いと言われ驚くと、目をキラキラさせてオレを見る子ども達がいた
「リュウ君、探偵さんみたいだね!」
「コナン君に負けてませんよ!!」
あー!そっか!
この子達との現場は初めてだった
長年の癖というか、コナンに流されたというか、普通に仕事をしてしまった
助けを求めてコナンを見るも、知~らね…といった様子で返され、助けてくれない
「えっと…一緒に住んでる人が探偵やってるからかなっ!」
「それって前に言ってた知り合いの人ですか?」
「う、うん、その知り合い…」
そういや初めて会った時に知り合いの家に住んでるって言ったんだっけ…
「ちょ、ちょっと待って…!つまりさっきの2人に私達が見つかれば…」
冷静に事態を飲み込んでいた哀ちゃんが焦る様に話に割って入ると、コナンが全員にはっきりと言う
そう、オレ達があの2人組に見つかってしまったら…
「6人とも殺されちまうだろーぜ…この中に閉じ込められてな」