第4章 夜想曲/ポアロの彼と名探偵と
「事情聴取もあるだろうから、事件の真相伝えとく」
「助かるよ」
コナン達とは少し離れたところで、探偵事務所の殺害事件の真犯人が運転席で気を失っている芹奈さんということ、銀行強盗犯の2人は芹奈さんに殺害され、1人はそこで倒れている手川ってことを順を追って簡単に話した
「でもこれ、ほとんどあの子が解いたんだよ」
「へぇ…一緒に行動してみてどうだった?」
目の付け所が鋭かったり、知識が豊富、小学一年生にしては経験値ありすぎ
一般的には頭のキレる天才少年ってとこかな
ただ、オレが組織やAPTX4869の存在を知っているから、疑わざるを得ない…
「組織のことも知っているみたいだし、もっとあの子に近づいた方が良いと思う」
江戸川コナンという少年がどこまで組織に近づいているのか、そしてその理由や、既に組織に何らかのアクションを起こしているのならば、オレ達はそれを知る必要がある
「…さっきベルモットから連絡が入ったんだ。彼女はあの子に執着している」
「……ねぇ零、オレ…」
「いいよ、リュウのしたいようにあの子に近づけばいい。ただ、我々の立場を忘れるな」
わかってる
公安として、そして降谷零のゼロとしての積み上げてきたものを崩すつもりはない
「あの子は警察でもなんでもない民間人。組織に近づいてベルモットに目を付けられてることだって事実。状況によっては保護対象として見守る必要もあるが、僕は立場上難しいだろう。リュウ、君に任せてもいいか?」
「もちろん…!」
「我々が優位になることならば、あの子にある程度の情報開示を認める」
「了解」
「あ、いたいた!安室さん、リュウ、目暮警部が二人にも話聞きたいって!」
小走りでコナンが呼びに来てくれた
到着した警察は事件の一連から目暮警部だったようだ
オレ達がコソコソしている間にコナン達が話をしていたみたいだから、オレ達が話すことは殆ど重複するかな
ただ、RX-7で無理やり車を止めたことは零にしか説明できないことであって…
「目暮警部、大目に見てくれるといいね♪」
「あぁ、どこかの誰かさんが大目に見てくれないからな」
今夜は家に帰るまで、もう少しだけ時間がかかりそうだった…
―4章END―
後ろを追ってきたあの赤い車は一体なんだったのか、それを知るのはもう少し後の話…