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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第12章 米花商店街の魔女


「そうだけど、リュウくん肩痛い!」
「なんかおめぇ怖ぇぞ」
「突然どうしたんですか?」

「あっ、ごめん!」

歩美ちゃん達が会った魔女って奴の言った言葉に一瞬我を見失ってしまった
元太や光彦に言われてハッとした時には歩美ちゃんの肩を力強く掴んでいて、自分でもコントロールできなかった感情が出てしまったことをすぐに謝る

でもモヤモヤした気持ちはなくなった訳ではなかった
思い出したくもない、でも忘れられない奴の顔を頭に浮かべながら歩美ちゃんの肩から両手を下げると、突然片方の腕をコナンに掴まれる
その方を振り向けばコナンは「行くぞ」と言う目で頷き、続けて零の顔を見れば同じ様に頷く
オレも零もコナンも同じ人物を思い浮かべているのを理解した

円卓の騎士、メジャーリーガー、この2つの言葉を使う奴なんて限られた人間しかいない
そう、萩と陣平ちゃんをオレ達から奪った爆弾魔か、その関係者、あるいは模倣犯!!


「透兄ちゃんはみんなが貰ったお菓子の確認して!」


吐き捨てるように言ってコナンと2人で勢いよくポアロを飛び出した
オレ達から大切な仲間を奪った爆弾魔は今、逮捕されて罰を受けているからここに現れることはまずない
でも歩美ちゃん達が会った魔女が爆弾魔の言葉を使ったのなら模倣犯の可能性もあるし、お菓子に爆弾が仕掛けられていることだって有り得る
もしその通りになってしまった時にあの場で冷静に判断できるのは零しかいないと思って咄嗟にお菓子の方は任せて来た
そして商店街の入口にいるであろう魔女に近づくのならオレ達子どもが好都合

なぜその言葉を使ったのか
なぜ子ども達にそう言ったのか
いったい何が目的なのか

そんなのひとつもわからないけれど、今はとにかく夢中に足を動かした
そして商店街の入口に着いてすぐ、コナンと2人辺りを見回す

フード付きの黒マントに、鼻の高いお面を被った奴…

商店街の入口を示す大きな看板の内側も、外側も、立ち並ぶお店同士の間の路地も、お店の中も…人が行き来できる場所は隈なく捜した
それなのに、

「くそっ!どこにもいない!」
「リュウがそんなになる理由ってやっぱり…」

苛立ちさえ覚え地面を思い切り踏みつけるオレとは真逆に、一緒に捜し回ってくれたコナンは落ち着いていた


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