第12章 米花商店街の魔女
魔女?お菓子?
商店街のハロウィンイベントだろうか…
歩美ちゃんの話によると、商店街の入口で魔女仮装をした人に声を掛けられお菓子の入った箱をもらったらしい
「来るだけでお菓子もらえるんだったら毎日商店街通うぜ!」
「ええ!商店街のハロウィンイベント、チェックしないとですね!」
「でもおかしいわね…」
食いしん坊の元太にはもってこいのイベントだなと思っていると、カウンターから梓さんが不思議そうに言ったので振り返る
「商店街の入口でお菓子を配るだなんて企画、なかったと思うのよね…」
梓さんは商店街の会議にも出ていて企画書の作成にも関わっているようで、今回のハロウィンイベントに関しても全て把握しているらしい
そんな梓さんが言うんだから、今日のお菓子配りは企画外のものなのだろう…
でも少年探偵団の3人は間違いなく商店街の入口で配っていたと言う
「なぁ、その魔女になってた人、本当に商店街の人だったのか?」
コナンの問いに歩美ちゃんは眉を下げ、少し不安げに話をする
「顔はお面でわからなかったの。ただそのお面の鼻がクチバシみたいにとがってたから魔女の鼻みたいだなって思って!」
魔女の鼻の様に尖ったお面…
「帽子が付いたマントで全身真っ黒だったからよお!魔女にしか見えなかったよな!」
元太の言葉でなんとなくイメージはできた
ハロウィン時期にそんな格好をしてお菓子を配っていたら誰でも魔女と思うだろう
「そういえばなんだか怪しい名前を言ってましたね…」
「名前?なんて言ってたんだ?」
「たしか食卓のきしめんとかじゃなかったか?うまそうな名前だって思ったんだ!」
光彦が思い出した様に言うから聞いてみると、割って元太が自信満々に答えてくれた
確かに美味しそうな名前だけど、それはないだろ…
「違いますよ元太くん!円卓の騎士ですよ!」
「そうだっけか?」
「あ、あとメジャーリーガーって言ってたからきっと野球が好きな魔女だったんだと思います!」
円卓の騎士に…メジャーリーガー…?
まさか…!!
「歩美ちゃん!その魔女、商店街の入口にいたって言ってたよね!?」
耳にしたことのある言葉に嫌な予感がして、歩美ちゃんの肩を両手で掴みながら勢いよく聞いた
円卓の騎士にメジャーリーガー、この2つは関係なさそうだがある事件を知る人物が聞けば関係のある言葉になる!!