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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第12章 米花商店街の魔女


「だから言ったでしょう?」

零が注文を取りにテーブルへとやって来ると、女子高生は勢い良くオレから零へと視線を移す
その顔は恋する乙女って感じで、女子高生達は本当に安室透の熱烈なファンなんだなって、なんだかちょっぴりモヤモヤした
零が人気なのは良い事なんだけど、目の前であからさまにキャピキャピされるのはなんか嫌……って何女子高生相手に嫉妬してるんだオレ

ちょっとムスッとしていると、それに気付いたのか零は俺の頭に手を乗せ女子高生達に話を続ける

「この子の言った通り、僕はその日この子と家にいたので、その動画の2人は僕達ではないんですよ」

それを聞いて「えー」と言ったから少し落ち込んでしまうかなと思ったけど、だいぶメンタルの強い子達みたいで、なんとしてでもスクープを得たい記者の様に聞いてくる

「でも一緒に家にいたってことはやっぱり隠し子なの!?」
「あむぴ子どもいたのか~ショックー」

女子高生のテンションについていけずもう安室透の子どもで良いやと思い始めていたが、コナンが間に入ってオレは零に預けられてる子だとフォローしてくれた
終いに零が

「そんな噂になっているのであれば、僕はここを辞めなくてはいけないかもしれません。この子に申し訳ないので」

とオレの肩を引き寄せながら言うと、さすがの女子高生も焦ったのか言葉を詰まらせている
喫茶店とは思えない少しピリッとした空気を感じた


「ねぇお姉さん達、この動画はボク達じゃないってことと、ボクは透兄ちゃんの子どもじゃないってこと、周りの人に伝えて欲しいな」

「できれば動画の削除もして欲しいですね。その動画で間違った情報を得た人達が悪さをして、この子が何か事件に巻き込まれては大変ですから」

オレの言葉に続けて言った零に頭を撫でられ、そんなオレ達の様子を見た女子高生達は落ち込んでいた顔を赤く染め、隣りのコナンは苦笑いを浮かべる
女子高生達の目にはこの子どもを撫でる安室透がどの様に映っているのか頭の中を見てみたいものだ

「厳しく聞こえたかもしれませんが、あなた達にはこれからもここへ来てもらいたいので、僕らからのお願いを聞いて頂けませんか?」

女子高生3人は顔を合わせて頷くと、1人が席を立ち頭を下げた
それを見て察した他の2人も同じように立ち上がり、こっちに向かって頭を下げる


「騒いでしまってすみませんでした」
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