第4章 夜想曲/ポアロの彼と名探偵と
布製のスニーカーとかを丸洗いして干す時に、ヒモがそうなってると吊るしやすい、とお兄さんがやっていたらしい
さすがにブーツは洗わないが、縛り方に癖が残っていると
「もうその兄もいませんけど…」
そう言いながら涙を浮かべる圭さん
気持ちを考えて今日はここまでの聴取となり、零も心配をして圭さんを自宅まで送っていくと言ったけど、それはきっと表向き
この事件の真相が別にあるんじゃないかと思ってるんだろうな
オレもどこか引っかかってるし、コナンもきっと…
「リュウ、下に車回すから圭さんと待っててくれるか?」
「うん、わかった」
***
と、圭さんだけを送っていくはずだったが…
「ほォー…いいマンションですなぁ」
「待ち伏せはされてなさそうね」
圭さんが心配で、と毛利先生
人が死んだ事務所にいるのは、と蘭さん
この2人がついてきたという事は必然的にコナンも一緒な訳で
毛利探偵事務所御一行様な状態である
「あ~!トイレに行くの忘れてたァ~!」
「じ、実は自分も我慢してて…」
「お、俺も…」
コナンの急な駄々こねに続いて大人2人もトイレと言うもんだから、家に上がらざるを得ない状況になる
ドアが開くとすぐにトイレに駆け込むコナン
大人組はリビングに向かったけど、オレはトイレの前でコナンを待つことにした
この家、嫌な臭いがするけど…まさかな…
「リュウはこの臭い、なんだかわかる?」
トイレから出てきたコナンに聞かれた
「あぁ。コナンは本当に現場慣れしてるんだな」
「そう言うリュウだって。普通じゃ気付かないと思うけど?」
一度二度会っただけでどこまでオレの正体に気付いたか
またその逆で、コナンもオレがどこまで知っていて、組織とどう繋がっているのか、気になっているんだろうな
バーボンの名前を出したこと、そして安室透と一緒に住んでること、ここから安室透=バーボンに辿り着いたか、否か…
コナンと立ち話をしていると、リビングから圭さんが出てきて出掛けようとしていた
「どこ行くの?」
コナンが引きとめると、コンビニにお茶っ葉を買いに行くと言う
大人組が聞いていれば一人で行かせることはしないだろうから、きっと誰にも言わず出て行こうとしているに違いない
蘭さんを呼ぼうとするが拒否され、
「3人で行こ!」
という提案に乗ることにした