第4章 夜想曲/ポアロの彼と名探偵と
圭さんの車ではコナンが助手席、オレが後部座席に乗った
途中でペットボトルのフルーツジュースを買ってくれた圭さん
でも、キャップを捻ると音がしない
何か入れたのか…?
元々飲む気はなかったが、オレ達を大人達から隔離して、一体何をする気なんだろうか
幸いにも後部座席にいるオレは飲んだ振りをしやすいけど、コナンは……あ、寝た……フリかな?
じゃ、オレも零に連絡を入れてコナンの芝居に付き合うとするか
『圭さんとコナンは一緒にいるから大丈夫、そっちは頼んだ』
運転席から見えない角度で素早くメールを送信した
それから寝たフリを始める
間もなく車はガソリンスタンドに着いて助手席で寝ていたコナンは後部座席へと運ばれ、オレと横に並べてコートを掛けてくれた圭さんはトイレへ
子ども二人と言えど、ちょっと落ちそう…
「リュウ起きてるでしょ」
「やっぱりコナンも起きてたか」
オレの方が身長が少し大きい分、コナンの頭はオレの胸のあたりにある
お互いに目は合わせずヒソヒソと話すしかなかった
にしてもあのペットボトルに気付くとは、さすがただの小学生ではない
「コナンは左のポケット、オレは右な」
圭さんが掛けてくれたコートのポケットに何か入っていることはわかっていたので、手分けしてゴソゴソと取り出してみると、財布・携帯・睡眠薬が出てきた
「携帯だけ傷だらけだな」
「うん、きっとこの携帯は事務所で死んだあの男の物」
「財布に何枚もある銀行のカード名義のウラカワセリナ…これが本当の名前か?」
「まだ確証はないけど…」
そういいながらコナンは傷だらけの携帯からどこかに電話を掛けた
その間にオレは調べものをしようと携帯を取り出すと、零からの返事が返ってきていた
『銀行強盗事件 庄野賢也』
これだけって…オレ、検索ツールじゃないんだけど…
まぁ長文打ってる場合じゃないと思うし、圭と名乗ってたお姉さんがオレ達を連れて行ったってことは男の携帯から送信されていたから、本当に最小限を送ってきたんだろうけど…
とりあえずそのまま検索をしてみる
銀行強盗…庄野…
「え、この人…」
画面に出てきた庄野賢也の写真をコナンに見せる
この人、圭さんがお兄さんと言って見せてくれた写真の人だ…
もう少し調べたかったけど、お姉さんが戻ってきてしまったのでまた眠っているフリを始めた