第11章 紅の出張
「ガキンチョの友達ねぇ…私は蘭の親友の鈴木園子よ!」
「ボクは世良真純。コナン君のお友達か…」
あ、思い出した
世良って人は前に毛利探偵事務所で殺人事件があった時にバイクで犯人に攻撃してた人じゃないか?
あの時は男性かと思ったけど、制服を見る限り女子高生だったみたいだ
「…ん?どうかしたかい?」
「ううん!何でもないよ!」
腰を折ってオレを覗く世良さんに危機感を覚え、新一の後ろに身を隠した
なんだろう、あまり関わらない方が良い気がするんだ…
新一の足をギュッと掴んで顔を覗かせると、女子3人はニコニコとオレを見ている
学生に囲まれるのはいつぶりだろうと思いながら女子高生の眩しさについていけなくなっている自分がいて、小学生の姿なのにヒシヒシと歳を感じてしまった
「親戚のおじさんと来てるって言ってたけど、安室さんは一緒じゃないの?」
「うん!透兄ちゃんは探偵のお仕事に行ってるよ!」
万が一会っちゃったとしてもはぐらかすだろうし、親戚と言っておけば多少似てても間違いないかなって思った
こんな所に女子高生に大人気の安室さんがいたら修学旅行どころじゃないわという園子さんに、零はやっぱり凄いんだなと再認識
警察になっていなければアイドルとかやってたかもしれない
「お前ら移動するぞー!」
遠目から手を振って新一達を呼んだのはクラスメイトだろう
返事を返した新一に隠れているオレを見つけたのか、呼んだにも関わらずこちらに向かって来た
「ま、まさか工藤と毛利の子!?」
「んなわけねぇだろっ!」
オレを見るなり第一声がそれか!
っていうかこの二人はクラスメイト公認の仲なのね!?
あんまり詳しいこと聞いてなかったなぁなんて思って新一を見上げて聞いてみる
「ねぇねぇ、新一パパは蘭さんとお付き合いしてるの?」
「パパって言うな!」
「君は知らなかったのかい?二人は付き合ってるんだよ」
顔を赤くしてる新一と蘭さんに変わって世良さんが教えてくれた
前に蘭さんが好きだってことはそれとなく聞いてたけど、そっか、付き合い始めてたのか
だもんこの修学旅行だって絶対参加したいと思うし、解毒薬を貰う為にあんなに必死になるわけだ
へぇ~と見上げれば視線を逸らされる
何かからかってやろうかと思ったその時…
「きゃーっ!!」
「……!?」
遠くから女性の叫び声が聞こえた