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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第11章 紅の出張


第11章:紅の出張



「と、いう訳なんだ」

「いやいやどういう訳!?」

お馴染みオレの研究室に突然やってきた零と風見
この2人が揃ってこの部屋に来るってことは何か重要な事があったのではないかと身構えてしまったが、ドアを開けるなり零の第一声がそれで拍子抜けした
深刻な要件ではなさそうだけど、なんのことかこれっぽっちもわからない

「降谷さん、自分が説明しますよ」
「あぁ」

オレの反応を見てクスクスと笑いながらソファに座る零はどこか嬉しそうだった
この様子なら以前の様に自宅待機とか言われずに済みそうだと、オレも零の向かい側のソファに座って風見がテーブルに広げた資料に目を通し始める

「来月末に某国の要人が来日し、その警護に着任するのはご存知ですよね?」
「うん、警備計画も上がってきてたし、対談もあるとかでニュースになってる例の案件だよね」

資料には空港到着から管内某所への移動ルート、対談会場、食事会場など、細かい日程が記されていて、経路や会場の地図と共に警備に着く者達の配置が細かく書いてある
警護にあたるこの要人は各国の経済に関わっている人物で、ニュースでよく聞く名前もしっかりと記載されていた

「要人の周りには専属のSPが、そして我々日本警察は近辺の警備警戒となっています」
「いつも通り監視カメラと通信機器の設定と管理、チェック…オレが動くのはそれかな?」

なんて、言葉で言うとこれだけなんだけど、要人の動く範囲を考えると膨大なカメラの数と人数分の通信機器…1人じゃ見きれないから部下を何人か借りるしかないな…

「ってか、この警備に零もつくの?潜入捜査中だもんこっち側で表立って動けないでしょ?裏方?」

資料から零に視線を移すと、零は窓の外の遠くの方を見つめながらご機嫌な様子でいてどこか不気味さを感じた
仕事中にこんなにも機嫌の良い零はおかしすぎる…何か理由がある筈だけど、一体なんだ…
資料は至って普通の業務内容だし、説明する風見は淡々と話を進めている
この案件の中に零がご機嫌になる理由なんてひとつも見当たらないんだけど…

「ねぇ風見、何か隠してるでしょ」
「………」

顔の前で見ていた資料から目だけを出し目の前の風見に鋭い視線を送ると、ギクッと風見の身体が固まった
何の反応も見せなければ良いものの、そんなあからさまにされたら怪しさしかないじゃん

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